橋本病とその特異な症状について:全身の疲れから顔のむくみまで
甲状腺機能低下症と橋本病
徐々に体力が失われ、疲れが取れない経験がある方は、橋本病による甲状腺機能低下症の可能性が考えられます。橋本病は慢性甲状腺炎とも称され、自己免疫疾患の一環として、体内で甲状腺を攻撃する自己抗体が生成されます。この自己抗体には、抗サイログロブリン抗体と抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体が主要なものです。この結果、甲状腺が破壊され、ホルモンの生成が低下すると、多様な症状が現れるようになります。
甲状腺機能低下症の症状
- 疲れやすさ
- 体温低下
- 便秘
- 乾燥肌
症状 | 説明 |
---|---|
疲れやすさ | 全身の新陳代謝が低下し、エネルギーが消費されにくくなります。 |
体温低下 | 体内の熱産生が減少し、常に寒さを感じることがあります。 |
便秘 | 消化器系の動きが鈍くなり、便秘になりやすくなります。 |
乾燥肌 | 血行不良と新陳代謝の低下から、皮膚が乾燥する傾向があります。 |
症状が出ない橋本病も存在
橋本病であっても甲状腺の機能が維持されている場合、特定の症状は現れないことが多いです。成人女性の約1割が橋本病であるとも言われていますが、そのうち甲状腺機能低下症の症状が出るケースは少数です。橋本病は進行性の疾患であり、年齢が上がるにつれて症状が現れやすくなります。
年齢と症状の関係
- 年齢が上がると症状が出やすくなる
- 女性が男性より15~30倍高い発症率
特に女性に多い疾患とされていますが、男性にも発症の可能性があるため、注意が必要です。
橋本病の典型的な症状:顔のむくみ
橋本病にはむくみという特徴的な症状があります。このむくみは全身に現れる場合がありますが、特に顔に出やすく、頬やまぶたの周囲のむくみが目立つことが多いです。その結果、顔全体が鈍重な印象を与えます。
むくみの特徴
- 顔全体がふっくら
- ほうれい線が消失
- まぶたの周囲もむくむ
まとめ
橋本病は自己免疫疾患であり、特に甲状腺機能低下症と密接な関係があります。この病気は徐々に進行する性質があり、年齢が上がるにつれて症状が出やすくなるため、早期の発見と治療が必要です。特に女性に多く見られる疾患でありますが、男性も発症する可能性があるため、警戒が必要です。