乳房にしこりが見つかった時の病気とその対処法
乳房にしこりが生じる病気の多様性
乳房にしこりが見つかったとき、多くの人はすぐに乳がんを連想するかもしれません。しかし、乳房にしこりができる原因は乳がんだけではありません。実際には、乳房のしこりが生じる病気は多数あり、専門的な検査が必要です。以下では、乳房にしこりが見つかった場合に考慮すべき病気とその特徴について詳しく説明します。
乳腺線維腺腫:若い世代で多く見られる良性のしこり
乳腺線維腺腫は、主に思春期から30代の女性に多く見られる病気です。この病気で形成されるしこりは通常2センチ前後で、しだいに小さくなることが多いです。したがって、大きな心配や手術での除去は基本的に不要です。ただし、しこりの大きさが著しく大きくなる場合は、まれに悪性である可能性も考慮しなければなりません。
乳腺症:痛みを伴う乳腺の変化
30代から40代の女性に多く見られる乳腺症は、乳腺の固まりやのう胞(分泌液が溜まる袋)が形成されることが特徴です。多くの場合、月経前に痛みを伴います。特に治療の必要はないものの、痛みが強い場合には薬物療法が施されることもあります。
病名 | 年齢層 | しこりの特徴 | 必要な治療 |
---|---|---|---|
乳腺線維腺腫 | 思春期〜30代 | 2センチ前後、良性 | 大きくならなければ手術不要 |
乳腺症 | 30〜40代 | 痛みを伴う、固まりやのう胞が形成 | 痛みが強い場合は薬物療法 |
乳腺炎:授乳中の母親が注意すべき病気
乳腺炎は主に授乳中の母親に発生する病気で、乳腺に母乳が詰まって炎症を起こす「急性うっ滞乳腺炎」と、乳腺が細菌感染する「化膿性乳腺炎」の2種類があります。このしこりは弾力性があり、つまんだり押したりすると動く特徴があります。しかし、しこりの詰まり方によっては固くなるケースもあり、乳がんとの区別が難しい場合もあるので、心配なときは早めに専門医に相談することが重要です。
乳がん:致命的な疾患である可能性も
乳がんはがん細胞が増殖し、場合によっては他の器官に転移したり再発することもあります。特にしこりが大きくなると、転移や再発の可能性が高まります。乳がんの早期発見と適切な治療が非常に重要です。
乳房にしこりが見つかった場合、その原因は乳腺線維腺腫、乳腺症、乳腺炎、乳がんなど多岐にわたる可能性があります。どの病気も独自の特徴と対処法があり、専門医の診断が不可欠です。特に、しこりの大きさや痛み、年齢、授乳の有無などによって治療法が異なるため、しこりを見つけたら早めに専門医に相談することが大切です。