食道がんのステージ別5年生存率:最新の国立がんセンター統計解説

食道がんのステージ別5年生存率と治療法

食道がんは、患者にとって非常に深刻な病気であり、早期発見正確なステージングが治療成功の鍵です。国立がんセンターの統計に基づいて、各ステージの5年生存率と主要な治療法について詳しく解説します。

ステージ0: 早期の食道がん

状態主な治療法5年生存率
がんが食道の粘膜内に局所化しており、
他の臓器への転移がない
内視鏡による手術でがんを除去ほぼ100%

このステージでは、がんが食道の粘膜内に留まっており、他の臓器への転移はありません。この状態では、開胸や開腹せずに内視鏡手術でがんを取り除くことが一般的です。

ステージⅠ: 局所進行がん

状態主な治療法5年生存率
粘膜を突破しているが、遠隔転移はなく、近くのリンパ節に転移する可能性がある手術療法で食道と近隣のリンパ節を取り除き、再建する78.8%

このステージでは、がんは食道の粘膜を突破している場合もあり、または近くのリンパ節に転移している場合もあります。この段階での手術は、食道だけでなく、周囲のリンパ節も取り除くことが一般的です。

ステージⅡ〜Ⅲ: 中程度から高度な局所進行がん

状態主な治療法5年生存率
食道の壁を突破し、近くのリンパ節に転移がある体力が許せば手術、それ以外は放射線化学療法60%〜
32.4%

このステージでは、がんは食道の壁を突破し、近く、もしくは少し離れたリンパ節に転移しています。体力が許せば手術が行われますが、それが難しい場合は放射線化学療法が選択されることもあります。

ステージⅣ: 末期食道がん

状態主な治療法5年生存率
遠くの臓器に転移がある延命治療や緩和療法を含む化学療法と放射線療法19%

この段階では、がんは遠くの臓器に転移しており、手術による治療はほぼ不可能です。化学療法や放射線療法が主に行われ、延命や症状緩和が目的となります。

まとめ

食道がんは進行が早く、早期発見と適切な治療が極めて重要です。各ステージでの5年生存率は国立がんセンターによると、ステージ0でほぼ100%、ステージⅠで78.8%、ステージⅡ〜Ⅲで32.4%〜60%、ステージⅣで19%となっています。最先端の治療法も進行中ですが、現状での最良の治療法と生存率を理解することが、患者とその家族にとって非常に重要です。